これから狙い目!? メダル編

"これから狙い目!?メダル編


ここ最近、特にメダルの人気が高まりつつあります。

引き続きイギリスの5ポンド金貨や、5ギニー金貨、ドイツのダカット金貨も 人気はございますが、アンティークコインよりも凹凸が際立ち、 細部にまでこだわったデザインが、美術品として 眺めていただいても、楽しめる逸品が多数揃っております。

希少性に関しても、アンティークコインは数千枚が製造された場合、 珍しいと考えられていますが、 メダルは数百枚しか製造されていないこともよくあります。

しかも、まだ価格がそれほど上がっておらず、 今後に期待が持てるところも人気の理由かと思います。

是非、この機会にお手に取ってご覧いただけたら幸いです。

1887 Golden Jubilee of The Reign of
Queen Victoria


英国 1887年 ヴィクトリア女王 在位50周年記念   “ゴールデンジュビリー” 金打ちメダル

【発行枚数】944枚
【規格】直径77㎜/91.5g

 


表面:王冠を被ったヴィクトリア女王の左向き肖像   
        〈VICTORIA REGINA ET IMPERATRIX〉の銘文 (帝国の母にして女王ヴィクトリア)    
    彫刻師J.E.B(ジョセフ・エドガー・ベーム)のイニシャル
裏面:王座の両側に2頭のライオン、王剣と宝珠を手にして座する女王
   周囲に科学、文学、芸術、産業、農業を司る女神たちの姿
   足元に横たわる商人・旅人の守護神マーキュリー
  「太陽が沈まない帝国」を示すかのようにアジア、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカが表記されている5つの盾
  上空に2人の天使がそれぞれ石版を持っている(ローマ数字MDCCCLXXXVII =1887年)
  〈IN COMMEMORATION〉(記念して)の銘記



即位50周年を記念して発行された本メダルは、表面の女王の肖像をオーストリア出身の彫刻家ジョセフ・エドガー・ベーム(Joseph Edgar Boehm)によって手掛け、裏面はイギリスの画家・彫刻家のフレデリック・レイトン(Frederic Leighto)が手掛けたとされています。

特に彫刻家ジョセフ・エドガー・ベームは元々半身像の専門家であり、英国王室からの依頼でいくつもの半身像を手掛けました。在位半世紀を迎えた女王の姿を精巧に描いたデザインは、現在高い評価を受けています。

 


英国 1887年 ヴィクトリア女王 即位50周年 銀メダル

【発行枚数】2,289枚
【規格】直径77㎜/重量410g

 


BRITISH HISTORICAL MEDALS (SPINK社発行)によりますと、このメダルは造幣局が発行した公式のメダルで、1887年7月18日~1889年2月26日の間に発行されました。

ヴィクトリア女王の即位50周年を記念して発行された大型の銀メダルです。
裏面の下部のシールドには、“ASIA”, “AMERICA”, “EUROPE”, “AUSTRALASIA”, “AFRICA”の5大陸の名前が、銘記されています。
大型のスラブケースに収められており、大変迫力のある1枚です。

 

1902 Edward VII Coronation 


英国 1902年 エドワード7世 戴冠記念 金メダル

【発行枚数】861枚
【規格】直径55㎜/重量約100g
【ご案内価格】UNC DETAILS:799,200円/税込 740,000円/税抜


当初エドワード7世の戴冠式は1902年6月26日に予定されていたが、直前にエドワードが虫垂炎を患ったため、回復を待って、8月9日に改めてウェストミンスター寺院で挙行されました。

造幣局のレポートによりますと、当初は6月26日の日付で、大量の戴冠メダルが準備されていたのですが、すべて回収されたようです。ただし、この日付で試鋳貨もあり、それは大変レアなメダルとなっています。文献によると大型金メダルは1410枚、小型金メダルは9850枚が溶解されたようです。

今回、ご紹介するこちらの大型金メダルは、1902年~1903年にかけて発行されており、1902年に717枚、1903年に161枚、合計で878枚が発行されており、そのうち861枚が販売されたとの記述があります。


1936 Edward VIII Abdication Memorial



英国 1936年 エドワード8世 退位記念 金メダル

【発行枚数】100枚
【規格】直径35㎜/重量約36g


 

「王冠をかけた恋」で有名なエドワード8世、のちにはウィンザー公として知られた人気の国王です。
妻は、アメリカ人のウォリス・シンプソンでした。
王位在任期間があまりにも短かく国(ロイヤルミント)として正式に発行したものがなかったため、退役軍人等からの根強い人気と要望により、コインディーラーが、コイン製造許可を掛け合って作成された待望のメダルです。

今なお英国民に愛される人物として、このメダルもそうしたエピソードゆえに作られた一枚です。

 

1953 Elizabeth II Gold Coronation



英国 1953年 エリザベス2世 戴冠記念 金メダル 

【発行枚数】不明
【規格】42.10g

素晴らしい希少性を持ち合わせたな1枚です。
1952年2月6日、父であり国王ジョージ6世の急死により26歳という若さで英国君主として即位したエリザベス2世。翌1953年6月2日にウェストミンスター寺院で戴冠式をおこない、この模様はイギリス国内だけでなく世界各国にテレビにより中継されました。このメダルは、まさにその歴史的瞬間をとらえており、座にて王笏を手にした女王がカンタベリー大司教から聖エドワード王冠を授けられる様子が描かれています。

なおイギリスは身分社会であり、国家的行事の記念メダルを与える場合にも、金・銀・銅が地位により決められたとされています。

 

1861 Wilhelm I Gold Coronation


1861年 ドイツ プロイセン ヴィルヘルム1世 戴冠メダル 

【発行枚数】不明 
【規格】重量41.58g/直径42.3mm

プロイセン王であり、初代ドイツ皇帝(在位1871〜1888)となったヴィルヘルム1世。1861年にプロイセン王に即位したヴィルヘルム1世は、プロイセンによるドイツ統一を最重要と考え、ビスマルクを首相に登用し、軍制改革を強行してドイツ統一を実現しました。普墺戦争、普仏戦争の際は自ら陣頭に立ち、勝利を導いたと言われています。
 

表面にはヴィルヘルム1世と王妃オーガスタが並んで描かれており、戴冠式の日付が刻印されています。
(夫婦揃ってのデザインは大変珍しいです)
裏面は圧倒的な美しさで、中央にプロイセンの紋章である黒鷲と王室の剣、笏が刻まれており、下部には、当時の最高勲章に記されていたモットー"Suum cuique" と書かれています。当時、このモットーは、王国を支えるべく団結している限り、市民は「各人が自分の選ぶことをしてよい」という意味に解され、プロイセン王国の自由主義と宗教的寛容を象徴する言葉とされていました。このモットーは、現在もドイツの軍警察の記章に引き継がれています。
それらを囲う黒鷲や紋章もかなり精巧に彫られており、両面共にとても迫力のあるデザインです。