表面:月桂冠を被ったジョージ3世
GEORGIVS III PIVS FELIX PATER PATRIAE
(敬虔で幸運なる祖国の父、ジョージ3世)
裏面:学生に月桂冠を授けるギリシャ神話に登場する太陽神アポロン
AUSP : CELS : PRINC : GUL : FRED : DUC : DE : GLOUCESTER : ACAD : CANTAB : CANCELL
(最も高貴なるグロスター公爵ウィリアム・フレデリック王子の後援のもとに、ケンブリッジ大学学長として)
ジョージ3世(George III)
在位:1760年10月25日 - 1820年1月29日
生没:1738年6月4日 - 1820年1月29日(81歳没)
イギリスおよびアイルランド王として1760年に即位し、60年という長期在位を誇るジョージ3世。
ハノーヴァー朝第3代の王であり、祖父ジョージ2世の死後若干22歳で王位を継承。
イギリス国王としては初めて英語を母語とし、イギリスで生まれ育った王でもあり、「真のイギリス人の王」として国民に親しまれた。
彼の治世は、歴史上最も激動の時代であった。
特に重要なのは、アメリカ独立戦争(1775年–1783年)で、当初は植民地との妥協を拒み、結果としてアメリカ13植民地を失うこ事となる。
この敗北は王としての評価を大きく左右したが、その後フランス革命およびナポレオン戦争では毅然とした対応を見せ、国王としての威厳を保った。
ジョージ3世は勤勉かつ敬虔な性格で、家族を大切にし、質素な生活を好んだ人物でもある。しかし晩年は精神疾患(現在では躁うつ病やポルフィリン症の可能性が指摘されている)に悩まされ、政務を執れなくなった為、息子ジョージ4世が摂政を務める事となる。
文化や科学の振興にも関心があり、大英博物館や王立天文学会などの発展にも貢献。結果として、政治的には波乱に満ちつつも、国内の近代化と国民国家意識の形成に寄与した名君とも評価される人物である。