表面:エリザベス1世の肖像(在位:1558年〜1603年)
ELIZABETH REGINA(女王エリザベス)
MDLVIII - MMVIII(1558年 - 2008年=エリザベス1世の即位から450周年を記念)
裏面:エリザベス2世の肖像
(首元にイアン・ランク・ブロードリー作を意味するIRB)
ELIZABETH II • D • G • REG • F • D • FIVE POUNDS
エリザベス2世、神の恩寵による、イギリスの女王、信仰の守護者
エリザベス1世(Elizabeth I)
在位:1558年11月17日 - 1603年3月24日
生没:1533年9月7日 - 1603年3月24日(69歳没)
1558年に即位したエリザベス1世は、イングランドを政治的混乱と宗教対立から立て直し、国の安定と繁栄を実現した。
彼女の治世(エリザベス朝)は、シェイクスピアやマーロウらによる文学の黄金期を生み出しただけでなく、イギリスが海洋大国として世界に進出するきっかけにもなった。
特に有名なのが、1588年のスペイン無敵艦隊との戦いでの勝利である。当時世界最強を誇ったスペイン帝国に対し、エリザベス1世は勇敢な演説で軍を鼓舞し、国民の団結を導いた。
この勝利はイングランドに自信と名誉をもたらし、後の大英帝国の礎を築く象徴的な出来事となる。
エリザベス1世は生涯独身を貫き「ヴァージン・クイーン」として国民に尽くした姿勢が、王としての責任と自己犠牲を示す理想像として今なお語り継がれている。
彼女の治世は、現代の立憲君主制や女性リーダー像の原点として、エリザベス2世の治世とも重ねられ、英国民にとって特別な歴史的意味を持っているのである。
エリザベス1世の即位から450周年の2008年に発行されたこの記念コインは、単なる歴史的節目を祝うものではなくイギリス王国の精神的なルーツであるエリザベス1世への敬意と、現代に続く王統の誇りを象徴する一枚である。

在位:1952年2月6日 - 2022年9月8日
生没:1926年4月21日 - 2022年9月8日(96歳没)
1952年から2022年までイギリス史上最長となる70年間にわたり君主として在位し、 世界中にその存在感を示したエリザベス2世。
冷戦、EU加盟・離脱、コロナ禍など激動の時代を通じ、常に冷静で献身的な姿勢を貫き、「変わらぬ象徴」として国民の信頼を集めた。
その気品ある振る舞いとウィットに富んだ言葉は、多くの人々に愛され、国家元首としてだけでなく家族の母として王室を支え続けた姿にも感動が集まった。
彼女の肖像は世界中の通貨や切手、記念コインに刻まれ、その優美な姿は芸術作品としても高く評価されている。