コインで語る古代史 第1章コイン誕生

第1章コイン誕生

コインを”貨幣”と捉えるならば、貨幣としての役割（＝物々交換のツール）を持っていたものは、紀元前３５００年頃のメソポタミア文明やピラミットでお馴染みの紀元前３０００年頃のエジプト文明から金属製品等で行われていたことが確認されている。

紀元前１４世紀頃の墓より出土した壁画には、天秤で金のリングが計測されている様子が見てとれる。

ちなみに、この頃バビロニア（現在のイラク）では人々の財産を保管し、穀物等を貸し付けていたそうです。「世界初の銀行」の起源と言われている

時代は進み、紀元前７世紀末（B.C ６００年頃）

世界で最初のコインがリディア王国（現在のトルコ西部）で誕生する。

この最古のリディア王国のコインは、金と銀の自然合金で形成されており、形状は凹凸でしたが重さが均一になったため、モノの価値の設定が楽となり、取引の際、コインの枚数を数えるだけで良くなるという利便性を漏らさした。

コインに描かれる図柄にはいくつかの種類はあるが、有名なものとして「牡牛とライオン」が描かれたものをここで紹介したい。富を象徴とする”牛（牡牛）”と強さを象徴する”ライオン”。世界最古のコインに描かれていたのはほとんどが動物たちであった。動物は食料としても、移動手段としても非常に重要であり、一部では神として捉えられていたほど貴重なものだった。つまり、当時の「高い価値を持つもの＝動物」であったことの証がこのコインには刻まれているのである。”動物”に対する価値の捉え方が現代と当時とでは異なるこの面白さを少しでも感じていただければ幸いである。

ちなみに、この「エレクトロン（ELECTRON）」とは、古代ギリシャ語で「琥珀（こはく）」を意味する。リディアで作られた金と銀の合金のコインは琥珀と色と形が似ていることからエレクトロン貨と呼ばれる

また、琥珀を摩擦すると静電気が発生することから電気の源を「Electronics」と呼ぶようになった。そして現在のe-Money（電子マネー）の「e」はこのリディア金貨の語源と同じものである。※電子マネー（electronic mony）

この「金貨」の誕生で、リディア王国をはじめ、地中海領域全体で貨幣が鋳造、流通するようになり、大きな経済の発展を遂げることとなる。

「貨幣」とは経済を大きく発展させることができる＝国家を強固なものとすることができる画期的なツールであり、国家戦略の一つとなっていくのである。そして、その際たる国、場所がギリシャである。

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第2章1ギリシャ世界

【古代】コイン（貨幣）で語る古代史（ギリシア&ローマ）　入門編
第1章コイン誕生

 第2章1ギリシャ世界

 第2章2 アテナとフクロウ

 第2章3 イオニア、シチリア、コリントス貨幣

 第2章4 アケメネス朝ペルシア、パンティカパイオン貨幣

 第3章1アレキサンダー帝国

 第3章2アレキサンダー死後の時代

 第4章1古代ローマ帝国

 第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣

 第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣

 第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣

第4章5ローマ帝国・２代目ティベリウス帝の貨幣

 第4章6ローマ帝国・５代目ネロ帝の貨幣

 第4章7ローマ帝国・１３代目トラヤヌス帝の貨幣

 第4章8ローマ帝国・１4代目ハドリアヌス帝の貨幣

 第4章9ローマ帝国・２１代目カラカラ帝の貨幣

 第4章10ローマ帝国・コンスタンティヌス帝の貨幣

関連動画：
【1-1】貨幣の誕生はユダヤそして日本にも大きく関わっていた！？ #リディア金貨 #世界最古の貨幣
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【1-2】人類の英知の結晶ギリシャからアレクサンダーによる世界平和
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【1-3】「アレキサンダー帝国」－「秦の始皇帝」－「日本」の関係をコインで辿る
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【1-4】アレキサンダーの教えは絶世の美女に託されローマへ・・・　＃クレオパトラ＃シーザー＃プトレマイオス朝エジプト
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【2-1】ローマSPQR体制は2300年も続いているという意味
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【2-2】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　＜カエサル＆アウグストゥス＞
https://youtu.be/mlHZI0Ios8A
【2-3】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　ネロ＆カラカラ帝
https://youtu.be/PEiWFP5r-RQ
【2-4】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　コンスタンティヌスⅠ世　※諸事情により一般公開はここまでと致します
https://youtu.be/oKvdbYSw5ZA