コインで語る古代史 第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣

ローマ　ユリウス・カエサルの貨幣

強国カルタゴを破った後、ローマは大きな力をつけ、そのまま拡大に突き進むかと思われたが、まだまだ政治、経済にが安定しておらず、様々な建築物や制度ができる一方、市民同士が殺し合う内戦状態に陥ってしまう（B.C１００年頃）

そして、そんな混乱期には強い指導者が必要とされた時、軍人であるユリウス・カエサルを中心に三人が擁立され、ローマを統治することとなった（三頭政治）。だが、三頭政治は短期で解消し、内戦が勃発した勃発した後、生き残ったカエサルが独裁的に政治の舵を取ることとなった。

ユリウス・カエサルの語源はJulius Caesar。英語読みすると”ジュリアス＝シーザー”。7月雨前のカエサル。

7月＝Julius=July　である。

彼は強力な軍事指導力を武器に隣国をまかしながら内政にも力を入れ下記のような政治を行なった。

・海外に植民市を建設し、約８万人の遊民（無産市民）を入植させる

・穀物配分を３２万人から１５万人に削減する

・結社を禁止する。また牧場の労働者のうち３分の１は自由人であること（奴隷反乱の防止）

・混乱していた暦を訂正して、太陽暦（ユリウス暦）を制定

・ローマの都市計画の立案（実現せず）

・市民権の拡大。ガリア＝キサルピナに一括してローマ市民権を与える

・属州民に市民権を与えてローマ正規軍に採用する

その後のローマ帝国の礎とも言うべき施策があるが、それもそのはずで彼の養子がのちのアウグストゥス（オクタビアヌス）＝ローマ帝国初代皇帝である。

前５４年ごろ　共和政ローマ　銀貨
表面：竜（敵）を踏み潰す像と＜CAESAR＞（カエサル）の銘記
裏面：大神官の地位を暗示する宗教用具（ひしゃく、斧、じょうろ、僧帽）

前４４年　共和政ローマ　銀貨
表面：ローマ貨幣史上初めて生存中の人物＜ユリウス・カエサル＞の肖像
＜CAESER,DICT,QVART＞（第４回目独裁官カエサル）の銘記

前４４年　共和政ローマ　金貨
表面：ベールを被ったユリウス・カエサルの肖像＜C CAESAL COS TER＞の銘記
裏面：ローマの守護神ウェスタを祀る宗教用具＜A HIRTIVS PR(AETOR)＞の銘記

前４４年　共和政ローマ　銀貨
表面：カエサルの肖像＜CAESAR＞（カエサル）の文字
裏面：右手にヴィクトリア（ギリシャ神話の勝利の女神ニケ）をのせたヴィーナス神（美の女神）の姿

カエサルといえば「ブルータス、おまえもか」が有名であるが、側近のブルータスに暗殺されてしまうことになる。

混乱期→強い指導者
強すぎる指導者→暗殺（追放）

この構図は現代の国家指導者にも当てはまる・・。ヒットラー、歴代韓国大統領、トランプ？

どの時代も、国家、人類の原理原則は普遍であると言えるだろう。

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第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣

【古代】コイン（貨幣）で語る古代史（ギリシア&ローマ）　入門編
第1章コイン誕生

 第2章1ギリシャ世界

 第2章2 アテナとフクロウ

 第2章3 イオニア、シチリア、コリントス貨幣

 第2章4 アケメネス朝ペルシア、パンティカパイオン貨幣

 第3章1アレキサンダー帝国

 第3章2アレキサンダー死後の時代

 第4章1古代ローマ帝国

 第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣

 第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣

 第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣

第4章5ローマ帝国・２代目ティベリウス帝の貨幣

 第4章6ローマ帝国・５代目ネロ帝の貨幣

 第4章7ローマ帝国・１３代目トラヤヌス帝の貨幣

 第4章8ローマ帝国・１4代目ハドリアヌス帝の貨幣

 第4章9ローマ帝国・２１代目カラカラ帝の貨幣

 第4章10ローマ帝国・コンスタンティヌス帝の貨幣

関連動画：

【2-1】ローマSPQR体制は2300年も続いているという意味
https://youtu.be/WI7FwIxozpc
【2-2】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　＜カエサル＆アウグストゥス＞
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【2-3】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　ネロ＆カラカラ帝
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【2-4】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ　コンスタンティヌスⅠ世　※諸事情により一般公開はここまでと致します
https://youtu.be/oKvdbYSw5ZA