コラム-コインで語る古代史 第4章1古代ローマ帝国-UNIVERSAL COIN

「古代ローマ帝国」ーこの帝国を語らずして人類の歴史を語ることはできないと言っても過言ではないだろう。本編では、紀元前3世紀頃(B.C200年頃)〜紀元後4世紀頃(A.D 300年頃)までを中心に貨幣を中心に歴史と共にご了解していきたい。

歴史がお好きな方を除けば、この古代ローマ帝国の歴史を深く紐解いている方は日本では非常に少数だと思われる。それはおそらく地理的にイタリア、ギリシャ、エジプトなど地中海地方の地理関係が日本にとって馴染みが薄いこと、また、この周辺は現在の国家情勢も非常に不安定で、そこには民族問題と宗教問題が深く関わり、そうした隔たりが日本人に古代ローマ帝国の歴史を理解することを困難にしている。

加えて単純にさまざまな人物名がカタカナで出てくるために、理解する以前に暗記することさえ困難であるということもその理由の一つだと思われる。

ここでは歴史書物よりも人物名をすくなくしてポイントを絞り、地図を多くすることで、位置関係を理解していただきながら「貨幣」(=お金=経済)という視点を入れることで、現代社会、経済、国家、お金のあり方についての本質を知り得ることによる矛盾を紐解けるようにしていきたい。

 

本編を一言で言うならば

未来予測することは、過去を知ることから始まる

この古代ローマ帝国の歴史は指導者、リーダー、経営者の方々は必ずと言って良いほどご存じあり、知る得るべき経営のリーダーの「本質」であろう。

なぜ、小さなローマ都市が広大な領土を獲得し、数百年と言う長い間「パックスロマーナ」と呼ばれる平和な時代を過ごすことができたのか?

なぜ、コロッセオ(闘技場)というこんな大きなものが作られたのか?
なぜ、カラカラ浴場を中心に温度管理を徹底した上下水道管理の整った都市を作ることができたのか?
なぜ、これほどまでの帝国が滅び、今現在その姿を見ることがほとんどできないのか?
なぜ、人類は過ち絵を繰り返すのか?

これら疑問の全て答えを見出すことはできないかもしれない。ただし、コインを知ることによって、これらの多くの疑問の答えは見出すことができるだろう。

ローマ帝国建国前の貨幣

紀元前4世紀頃、ローマではそれまでの家畜と青銅片であった取引形態から、商業取引が活発になるにつれて、隣国であるギリシャ等の影響もあり貨幣鋳造が行われていく

前218年〜前216年 共和政ローマ時代 金貨
表面:ヤヌスの頭部
裏面:二人の兵士が若者に抱かれたブタに刃を向けている姿。下部にラテン語<ROMA>(ローマ)の銘記

 

 

前209年〜前208年 共和政ローマ時代 銀貨
表面:羽のついた兜を被った女神ローマ
裏面:馬上の双子の兄弟かストールとポリュデウケースの疾駆する様子。株にラテン語<ROMA>(ローマ)の銘記

特に、このデナリウス銀貨は兵士への給料として支払われたため、多くの貨幣が流通することとなった

この頃の隣国の分布図は上記通りで、ギリシャとカルタゴに挟まれ戦いの多い時代でした。その戦費を賄うのにローマの指導者たちは画期的な仕組みを築き上げます。

ローマ財政の仕組み

この時代(共和政期)、市民はほとんど直接税を払っておらず、その必要もなかった。また、国家にとって最大の財政負担である軍隊も経費がかからなかった。なぜなら、ローマ市民は無報酬で一年間従軍する決まりになっており、武器などは自弁することになっていたからだ。そして最低限の行政経費は輸出入における関税や奴隷税で賄っていた。

しかし、やがて戦争が拡大するようになると兵士の数を増やすために傭兵を頼むようになったため、より多くの税が必要となった。そのため次の戦争として「戦争税」を設けた。

”戦争税”と言うのは、財産税の一種で市民が全財産を申告しそれに応じて課せられる累進性の税金である。また、持っている財産の種類によって税率が変わる仕組みで宝石や豪華な馬車などの贅沢品には最高で10倍の税金が課せられた。特に金持ちには戦争時には国家に融資する義務もあった。

ところが、この税の興味深い点は還付制度があったことである。つまり、ローマ軍が戦争に勝利し戦利品などがあれば、収めた税金に応じて還付された。したがって、この「戦争税」は国債もしくは株式投資のような性質を持っていたと言うことが伺える事例である。

だが、領土が拡大するにつれて戦争税は廃止されていった。理由は還付制度を設けることにより、兵士になる人々の不満のはけ口としていたが、領土が増え征服力の税で軍資金の財源を賄えるほとの力を持ったのである。ローマは征服した土地を一旦ローマの領土に組み込み(植民市の建設)、被征服地住民たちにその土地を貸し出すと言う形で税を課した。貴金属や収穫物などが集まり、それだけで国を維持できるようになったのである。中でもスペイン(イベリア半島)から送られてくる金・銀はローマの国庫を潤したと言う。紀元前206〜紀元前197年までの10年間だけ金約1.8トン、銀約60トンが献納された。この結果、ローマは貨幣制度を整えることができたのであった。

ただし、隣国のカルタゴは非常に強力だった。共和制ローマとカルタゴとの間で地中海の覇権を賭けて争われた一連の戦争は、大変有名で”ポエニ戦争”(B.C264〜B.C146年)と呼ばれる。

結果としてローマ軍が勝利し、西地中海の制海権と共に多くの属州を獲得、世界帝国の歩みを始めることとなるのだが、その期間約100年間。膨大な戦費を要したと想像される。

 

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第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣 


【古代】コイン​(貨幣)で​語る​古代史​(ギリシア&ローマ)​ 入門編 
第1章コイン誕生

第2章1ギリシャ世界

第2章2 アテナとフクロウ

第2章3 イオニア、シチリア、コリントス貨幣

第2章4 アケメネス朝ペルシア、パンティカパイオン貨幣

第3章1アレキサンダー帝国

第3章2アレキサンダー死後の時代

第4章1古代ローマ帝国

第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣 

第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣

第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣 

第4章5ローマ帝国・2代目ティベリウス帝の貨幣 

第4章6ローマ帝国・5代目ネロ帝の貨幣

第4章7ローマ帝国・13代目トラヤヌス帝の貨幣

第4章8ローマ帝国・14代目ハドリアヌス帝の貨幣

第4章9ローマ帝国・21代目カラカラ帝の貨幣

第4章10ローマ帝国・コンスタンティヌス帝の貨幣

 

関連動画:

【2-1】ローマSPQR体制は2300年も続いているという意味
https://youtu.be/WI7FwIxozpc
【2-2】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ <カエサル&アウグストゥス>
https://youtu.be/mlHZI0Ios8A
【2-3】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ ネロ&カラカラ帝
https://youtu.be/PEiWFP5r-RQ
【2-4】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ コンスタンティヌスⅠ世 ※諸事情により一般公開はここまでと致します
https://youtu.be/oKvdbYSw5ZA


   


 

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