コインで語る古代史 第2章1ギリシャ世界
第2章ギリシャ世界
人類の模範とされた文明・古代ギリシャ世界。
後代<ローマ帝国>や<ヨーロッパ諸国>などがその文化・文明を吸収した。この世界は21世紀のギリシャとほぼ同じ位置にあり、名前も同じである。
地中海に面し、アドリア海・エーゲ海・黒海などに囲まれ、海を隔てた西側には現在のイタリア(のちのローマ帝国)、東側には現在のトルコ(リディア、イオニア等)、南側にはアフリカ大陸が広がり、特に大陸間の交通の要所には独自の繁栄を続けているエジプトの影響は計り知れない。そして北側にはのちの歴史的偉人のアレキサンダーの出身地であるマケドニア王国も新興国として存在する。
以上のような位置関係になり、歴史的には起源1200年頃の400年間の暗黒時代を抜け紀元前8世紀(B.C700年頃)にポリスと呼ばれる都市国家(共同体)が生まれ始める。最も有力であった”都市アテネ”では、王政、貴族政、僭主政をへて市民が重装歩兵としてポリスの防衛の主体となることによって民主政を確立していった。一方、勢い盛んなアテネに対抗するため強固な軍国主義をとった”都市スパルタ”という2つの都市は歴史的に大変有名なので、ぜひとも覚えておきたい。りなみにオリンピックの起源である古代オリンピックが初めて開催されたのも古代ギリシャのこの時代であり、紀元前776年と言われている。
世界史おさらい講座1 「ポリス」
ポリスとは戒厳に比較的近い平野の丘を砦とし、また祭祀・ポリスの中心部の場所としてアクロポリス、麓の広場(アゴラ)を政治や経済活動の場とし、人々の居住する地域を城壁で囲んだ都市でした。
当時国家を形成するのは男性平民であり、その中に貴族と平民といった区別はありましたが、共に自由民として”共同体”を国政していたと考えられています。市民のみが私有地(クレーロス)を持ち、自ら農業を行っていました。また、奴隷も所有していたことも判明してます。ポリスは市民となる人々が意図的に成立させたもので、散財して村落にすんていた人々が貴族指導のもとに集住(シノイキスモス)して都市を作るのが典型的な形でした。しかしポリスは一つ一つが小さい国家でしかなく、最大の領域を有した”スパルタ”でも日本の広島県程度、民主主義の発祥の地”アテネ”でも当初は佐賀県程度の領域でしかなかったと考えられています。
加えて最初のポリスは集住して防御的なポリスを営むことが不可欠でしたが、どこでも同じようなポリスが形成されたわけではありません。研究からポリスの形態を分類してみると以下の通りになるとされています。
1・貴族を中心に集住(アテネなど)
2・侵入したギリシャ人が集住し、先住民を隷属させる(スパルタ)
3・集住した中心市が広い領域の村落を統合し支配する(アテネ・スパルタ)
4・一定地域の小集落がそれぞれ独立のポリスとなる(クレタなど)
5・集落群が穏やかな連合の形を取り中心市が生まれない(ロクリスなど)
このほか、古い部族的な村落の集合のままにとどまり、ポリスも形成しないギリシャ人も少なくなかったそうです(例:マケドニア)
この地域のギリシャ人は、ポリスが衰えていく時代に発展を遂げていきます。
ポリスの地中海世界に適合的な社会となり、その後もギリシャ人の植民地活動で増え続け、最大の時には1500であったと推定されています。ポリスは独立国家で市民共同体であり市民は守護神を祀り共通の宗教意識を基礎とする強い連帯感を持ち、他のポリスとは日常的に戦争を行い戦士共同体としての性格が濃かったと考えられています。一方でポリス間の経済的・文化的交流は盛んであり、ギリシャ人であることの共通意識も強かったそうです。こうし同じ民族でありながら別の国家との戦争も絶えませんでしたが、古代オリンピックが開催される期間だけは急戦していたという話もあります。これは「スポーツは”平和の象徴”」と言われる所以だと思うと大変興味深い事柄ではないでしょうか。
小さなポリス(国家)が領土を維持及び拡張するためには”戦争”が不可欠。戦争を行うにはヒト、モノが必要となってきます。軍隊の維持には相当な”お金(マネー)”がかかります。平時でも最低限にせよ兵士の数はある程度揃えておかねばなりませんし、その兵士の質を保つために訓練をしなくてはなりません。人件費というものはどんな世界であれ設備(軍隊なら兵器)よりお金がかかるものです。
このような背景から、リディア王国(現トルコ西部)から端を発した”コイン製造”は、前6世紀中頃、ギリシャ世界全体の都市に広がるや、それはたちまちそこでの”お金(マネー)”として圧倒的な形態になっていきました。なぜ急速に広がったかについては現在でも研究がなされている事項でもありますが、商業的活動はもちろんのこと艦隊の漕ぎ手や傭兵に対する支払いのような軍事費、集会への出席といった活動に対する手当てなどあらゆる場面でコインを必要としたことが 指摘できるでしょう。それゆえ国家が造幣活動に関心を持ったと考えられるし、コインを造幣することによって利益を得た可能性も考えられます。「アテナとフクロウ」銀貨を製造したことで有名な都市アテネ(アテナイ)では銀鉱山を超地に持っていたことも功を奏し、コインを活用することで国家に莫大な貯蔵と収入が集まり、経済的・政治的・文化的にも飛躍的に発展させた事例もあります。
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第2章2 アテナとフクロウ
【古代】コイン(貨幣)で語る古代史(ギリシア&ローマ) 入門編
第1章コイン誕生
第2章1ギリシャ世界
第2章2 アテナとフクロウ
第2章3 イオニア、シチリア、コリントス貨幣
第2章4 アケメネス朝ペルシア、パンティカパイオン貨幣
第3章1アレキサンダー帝国
第3章2アレキサンダー死後の時代
第4章1古代ローマ帝国
第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣
第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣
第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣
第4章5ローマ帝国・2代目ティベリウス帝の貨幣
第4章6ローマ帝国・5代目ネロ帝の貨幣
第4章7ローマ帝国・13代目トラヤヌス帝の貨幣
第4章8ローマ帝国・14代目ハドリアヌス帝の貨幣
第4章9ローマ帝国・21代目カラカラ帝の貨幣
第4章10ローマ帝国・コンスタンティヌス帝の貨幣
関連動画:
【1-1】貨幣の誕生はユダヤそして日本にも大きく関わっていた!? #リディア金貨 #世界最古の貨幣
https://youtu.be/KO4zRwuFu1U
【1-2】人類の英知の結晶ギリシャからアレクサンダーによる世界平和
https://youtu.be/lf0y6fV8XIM
【1-3】「アレキサンダー帝国」-「秦の始皇帝」-「日本」の関係をコインで辿る
https://youtu.be/KFaKCdzhqI0
【1-4】アレキサンダーの教えは絶世の美女に託されローマへ・・・ #クレオパトラ#シーザー#プトレマイオス朝エジプト
https://youtu.be/R6YAcJ6tCuA
【2-1】ローマSPQR体制は2300年も続いているという意味
https://youtu.be/WI7FwIxozpc
【2-2】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ <カエサル&アウグストゥス>
https://youtu.be/mlHZI0Ios8A
【2-3】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ ネロ&カラカラ帝
https://youtu.be/PEiWFP5r-RQ
【2-4】ローマの偉人が私達に伝えている大切なメッセージ コンスタンティヌスⅠ世 ※諸事情により一般公開はここまでと致します
https://youtu.be/oKvdbYSw5ZA
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