コラム-コインで語る古代史 第3章1アレキサンダー帝国-UNIVERSAL COIN

アレキサンダー帝国

いよいよ出てまいります。アレキサンダー!
元の名前はアレクサンドロス3世。若干20歳で王となり、約13年間で広大な領土を制覇し33歳という若さで病死する。

その、まさに太くて短い人生が及ぼした影響は凄まじく、あらゆる方面からその功績は称えられ、神格化されていった実在の人物。

歴史上、最も重要な人物の一人と言えるだろう

13年という短い時間で国を領土を時代を駆け抜けてきた功績はその後の国家のあり方につ知恵も大きな影響を与えるようになった。

アレキサンダーの語られる功績は、ほとんどがその天才的な軍事(センス)力と言われるが、貨幣の歴史、国家の歴史を見るとその戦略自体が重要な意味を持つと思われる。

それまで、争いによる領土の奪い合い、征服した民族は迫害か奴隷化することが当然であったが、彼の作った国家はその後の古代ローマ帝国の礎ともなる、元々の行政組織を大きく変えることなく、帝国を拡大するという画期的な国家を作り上げることに成功する。

その中でも、国家として統一したものが「貨幣」である。

 

世界史のおさらい講座2

アレキサンダー(在位:前336〜前323年)はマケドニア王国の王。前356年、マケドニア王国の父フィリッポス2世と母オリュンピアスとの間に次男として生まれました。兄(のちにフィリッポス3世)がいましたが、知的障害を患っていた為、アレキサンダーは生まれながらにすでに後継者として父から徹底的に良い教育を施されたと言われています。その中の一環として、哲学者アリストテレスを先生に、プトレマイオスなど同年代の貴族の若者と一緒に勉強しました。のちに彼は「父フィリッポス2世から生を受けたが、高貴に生きることはアリストテレスから学んだ」という言葉を残すほど、アリストテレスを最高の師として尊敬していたそうです。また、彼と共にギリシャの基礎的な教養を身につけた「学友」たちは、のちに大王を支える将軍となっていきます。

アレキサンダーは「軍人的なイメージ」が強いですが、死ぬまで”学問好き”だったとも言われています。まさに文武両道に勤めた人物と言えるでしょう。

また、父フィリッポス2世が遠征で不在の場合はアレキサンダーが代わりに国の重積を担うこともあり、そのため、おっくじについての経験は若いながらも豊富だったと言われています。そして前336年、父フィリッポス2世が護衛のものに暗殺されると直ちに20歳だったアレキサンダーが即位します。(この時の日本は概ね”縄文時代”に相当)

即位から2年後、前334年、アレキサンダーは父の意思を継いでマケドニア軍を率いて、アケメネス朝ペルシアに対して遠征を開始(東方遠征)。前333年イッソスいおいてダレイオス3世(位:前336〜前330年)率いるペルシャ軍に快勝します(イッソスの戦い、ペルシャ軍10万vsアレキサンダー軍4万)。

アレキサンダーは降伏したペルシャ貴族の地位を安堵し、また行政組織を変更しないことで地元の混乱を抑えることに成功。さらに前332年には絵エジプトにも遠征。ペルシャに抑圧されていたエジプト人たちはこれを大いに歓迎し、あっという間にこの地を占領するに至ります。そして、ナイル川の加工に”アレクサンドリア”という大都市を建設しました。(アレキサンダーの名にちなむ。なお、同種の街は各地に作られたが、その中でもエジプトのアレクサンドリアが発展した)。また、この時アレキサンダーはエジプトで信仰されていた太陽神アモン神殿にも参拝し、自分エジプトの支配者であることを示しました。

そして前330年、ダレイオス3世が部下によって殺された為、事実上アケメネス朝ペルシアは滅亡。こうしてアレキサンダーはギリシャ、エジプト、小アジアの広範囲をその支配地域に収めることとなります。(アレキサンダー帝国の出現)

 

しかし、アレキサンダーの遠征はそれだけでは終わらず、中央アジアのバクトリア、ソグディアナ(現トルクメニスタン)にまで侵攻し占領。

さらに前326年、インダス川をわたり、パンジャーブ地方にまで侵入に成功しますが、兵士らによる不平不満が高まり、振興を断念。その帰路途中、前323年に熱病(暗殺説もあり)にかかり急逝してしまいます。(33歳)

 アレキサンダーの金貨銀貨はその壮大な領土拡大に伴って、その軍事力を賄うために大量の金貨銀貨が鋳造されたと考えられています。またアレキサンダーが即位してからわずか10数年であったため、生前発行されたコインと死後発行されたコインとがあり、特に死後はっこくされたものには個性豊かな実在する”人間”の肖像(※国王などくらいの高い人物が大半)が描かれていくようになります(=貨幣史上歴史的な変革)。

前336年〜前323年 マケドニア王国 金貨
表面:コリントス式兜をかぶる女神アテナ
裏面:勝利のシンボルの月桂冠を手にした勝利の女神ニケ

 

前336年〜前323年 バビロン 銀貨
表面:ライオンの頭皮を被ったヘラクレスの肖像
裏面:右手に大鷲を乗せた最高神ゼウスの坐像。ギリシャ語<ΑΛΕΞΑΝΔΡΟY>の銘記

 

前297年〜前281年 トラキア王国 銀貨
表面:アモンのツノをつけたアレキサンダーの象徴
裏面:勝利の女神ニケを手に乗せた女神アテナの坐像。ギリシャ語<
ΛΥΣIMΑΧΟY>と<BAΣI ΛEΩΣ>(バシレオス”王”)の銘記

 

”コイン”がこの世に誕生してから約400年以上もの間、コインとは国に金属を与えた神の正当な財産であるという観念により、神以外の人間を描くことは冒涜に他ならないものだったにも関わらず紀元前4世紀にアレキサンダーが登場した後、人々の意識を変えるほどの彼の業績の衝撃さが読み取ることができる事例です。

 

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第3章2アレキサンダー死後の時代


【古代】コイン​(貨幣)で​語る​古代史​(ギリシア&ローマ)​ 入門編 
第1章コイン誕生

第2章1ギリシャ世界

第2章2 アテナとフクロウ

第2章3 イオニア、シチリア、コリントス貨幣

第2章4 アケメネス朝ペルシア、パンティカパイオン貨幣

第3章1アレキサンダー帝国

第3章2アレキサンダー死後の時代

第4章1古代ローマ帝国

第4章2古代ローマ帝国・敵対強国カルタゴ貨幣 

第4章3古代ローマ帝国・ユリウス・カエサルの貨幣

第4章4ローマ帝国建国・初代皇帝アウグストゥス貨幣 

第4章5ローマ帝国・2代目ティベリウス帝の貨幣 

第4章6ローマ帝国・5代目ネロ帝の貨幣

第4章7ローマ帝国・13代目トラヤヌス帝の貨幣

第4章8ローマ帝国・14代目ハドリアヌス帝の貨幣

第4章9ローマ帝国・21代目カラカラ帝の貨幣

第4章10ローマ帝国・コンスタンティヌス帝の貨幣

 

 関連動画:

【1-2】人類の英知の結晶ギリシャからアレクサンダーによる世界平和 https://youtu.be/lf0y6fV8XIM

【1-3】「アレキサンダー帝国」-「秦の始皇帝」-「日本」の関係をコインで辿る https://youtu.be/KFaKCdzhqI0

【1-4】アレキサンダーの教えは絶世の美女に託されローマへ・・・ #クレオパトラ#シーザー#プトレマイオス朝エジプト
https://youtu.be/R6YAcJ6tCuA


   


 

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