米国ステーブルコイン法は結果的に国民資産を1/10にリセットさせるその時、○○資産だけが勝ってきたことは彼らが証明する通りである

2025年7月18日、米国トランプ大統領はテーブルコインの規制枠組みを整備する「ジーニアス（ＧＥＮＩＵＳ）法案」に署名し、同法は成立した。

各メディアでも一斉に世界で報じられ（Bloombergではステーブルコイン法が成立、トランプ氏署名－「ドルの地位守る」）仮想通貨業界では、仮想通貨の勝利！と言った声も聞かれたが、逆を言えばドル通貨の敗北なわけである。

「ドルの崩壊」

私を含めて多くの人々がずっと言及し続けてきたことであるが、その“崩壊シナリオ”が

“実行ベース”に入った、事を意味するので、このステーブルコイン法(GENIUS法)は非常に重要な意味を成す。

今回のステーブルコイン法を簡潔に言えば、アメリカ国債によって発行されるアメリカ＄という”通貨発行の仕組み”に対して、アメリカ国債を担保に発行される仮想通貨ステーブルコインという事。ですから、

「アメリカドルという通貨はもうそろそろ危険なので、別の通貨を発行していきますね！」

という事をトランプは言っているわけである。

これは通貨・金融システムを本質的に理解している彼らに対しての、ある意味宣言・合図のように思えるわけである。2020年のコロナは彼らの号砲であった！と私はよくその当時言及していたが、途中まではその通り、世界中がどの国も全く同じ方向を向いていたように、今回も一部のそれを理解する人々（ユダヤ系）に対しての宣言のような気がしてならない。

「通貨リセットを本格的に開始する！」

という宣言である。

これは、過去の歴史を見ていると、それは宣言に思えるわけである。それを知っている彼らは同じ歴史認識をしている。その歴史とは、1970年代のニクソンショックの意味（脱金本位制による通貨価値の引き下げ）、1930年代のアメリカ金没収（＝通貨価値の引き下げ）、1720年代のフランス・イギリスで起きたバブル崩壊とその仕組み（＝通貨価値の引き下げ）

国家の仕組み＝通貨の仕組みというスタンスで語れば、それら通貨リセットは通貨価値の引き下げであり、それは政府債務の圧縮になるわけである。

しかし、そのスタンスを国民に移すと、それは資産没収という意味合いになる

1720年という時代は通貨の歴史にとってみると一つの分岐点になる。

重商主義という金貨・銀貨そのものだけが通貨であった時代であったそれまでに対して、30年戦争明けのプロテスタンティズムであり、啓蒙主義の中で生まれた仕組みの「紙幣」という金本位制における通貨そのものの変革への分岐点であったわけであるが、1720年当時は失敗に終わった。しかし紙幣の流通自体は失敗したが、政府債務の圧縮という意味では一部成功した。

国民資産をしっかりと政府に回収することが出来たわけなので。

この時に被害を被ったモノは、国民が保有する金貨銀貨と紙幣という通貨(お金)そのものであった。合法的なお金という資産の没収が起きた。政府は最終的にデノミネーションという通貨価値の引き下げを実施し、実質的に国民資産は1/2となったわけである。

また、この時のパターンは現トランプがやっている事に非常に似ている。それは政府が特権会社を作ったり、新たな仕組みによって通貨を発行したりするのである。そしてその新通貨も結果的に暴落or没収されることになったのが過去の歴史であった。

→歴史に関してはこちらで解説

1933年のアメリカでの金の没収も同様で、この意味は二つあり、通貨切り下げと、地金の没収＆保有禁止である。通貨が切り下げられるので、現金価値は1/2に、さらにそういったリスクを考慮して保有していた地金も政府に回収(買取)され、以降保有を禁じられた。

1970年代のニクソンショック以降の脱金本位制については皆さんもご存じの通り、その後の金の価格上昇＝通貨価値の大幅な下落は凄まじい・・・。